私の父は群馬県桐生市の出身で生家は絹織物問屋を営んでいました
まあ、そのころのお坊ちゃまくんですね
私が20代の頃に絹織物の契約の仕方をおしえてくれました
他の商いは当然書面に印を押して成立するのですが絹は当事者の売り買いの値段が折り合ったときに
『いよーッ!ポン!』と手を一つ打つだけだったそうです
相場モノなのでそれで大丈夫なのかな?と思ったのですがどんなことがあってもそれを履行するのが絹商人だと言われました
そのときは『ふ〜ん』くらいだったのですが今考えるとすごいことですよね
何かの契約ごとでは日本人は判子で欧米人はサインをしますが法的有効であるかどうかは別問題としてお互いの信義を尊重した紳士協定というものがあります
今回の大リーグ希望を表明してレッドソックスのオファーを受けた田沢選手の動向についてはいろいろな考えがあると思います
日米プロ野球では互いにアマチュア選手を取り合わないという紳士協定はずっと前からあります
(今までも数人のアマ選手がアメリカのプロ球団に入りましたが全員大リーグではありません)
社会人野球のナンバーワン投手ですので日本の球団も欲しいのは当然です
でも、田沢選手は大リーグ行きを選択したのであきらめるしかありません
善し悪しは別としてドラフト制度があるのですからそれを根底から覆すような行為は賛成できません
(人買いのようなドラフトには反対ですが必要悪だと思っています)
なんでもかんでもビッグマネーでかっさらっていくヤンキースがコメントを出していました
「両国プロ野球が信義を重んじて結んだ協定を覆すような形で選手をとるつもりはない」
法律でも抜け穴があるのですから完全なルールというのは存在しないと思います
だからこそ口約束や紳士協定は重んじられなければならないのです
『いよーッ!ポン!』はもうありえないのでしょうか?
田沢選手にはこんな雑音を吹っ飛ばすくらいの活躍をして欲しいと願っています
またね